同じ「デザインツール」でも、この2つは土俵が違う
FigmaとCanva。どちらもブラウザで使えるデザインツールで、どちらも無料プランがある。並べると似て見えるけれど、ぶっちゃけこの2つは比較対象としてちょっとズレている。Figmaは「設計図を描くツール」で、Canvaは「完成品を量産するツール」。同じ土俵に立っているようで、目的がまるで違います。
だから「どっちがいい?」ではなく「自分は何を作るのか?」で考えた方が外さない。この記事では、その判断がつくように両者の立ち位置・料金・機能の違いを整理していきます。
立ち位置の違い:精密設計 vs 時短量産
Figma=「設計」に特化した精密ツール
FigmaはWebサイトやアプリのUI/UXデザインに特化したツールです。ワイヤーフレーム、プロトタイプ、デザインシステムの管理、開発者への仕様共有(Dev Mode)まで、「作る→確認する→実装に渡す」の一連の流れを1つのツールで完結できる。2026年時点でUI/UXデザインツールとしてのシェアは推定80〜90%。業界標準と言っていいポジションです。
2025年には「Figma Make」というAI機能が登場し、テキストプロンプトからプロトタイプやUIを生成できるようになりました。さらに「Figma Sites」でデザインからそのままWebサイトを公開する機能もベータで使えるようになっている。設計ツールの枠を超えてきた感があります。
Canva=「仕上げ」に特化した時短ツール
Canvaの立ち位置はまったく違います。SNS投稿画像、プレゼン資料、チラシ、YouTubeサムネイル——「今すぐ見栄えのいいものを作りたい」という場面に全振りしたツール。テンプレートは61万点以上、素材は1億点超。選んで差し替えるだけで完成する手軽さが最大の武器です。
2026年にはMagic Studio(AI機能群)が強化され、背景削除・自動リサイズ・AI画像生成がPro以上で使い放題になっています。さらにAffinity(プロ向け画像編集ソフト)を買収・統合したことで、Canva内でより高度な画像編集もできるようになりつつある。
結局のところ、Figmaは「何を作るか考える人」のツールで、Canvaは「作るものが決まっている人」のツール。この違いが、以降のすべての比較の前提になります。
料金比較:個人ならCanvaが圧倒的に安い
| 項目 | Figma | Canva |
|---|---|---|
| 無料プラン | あり(共同編集2人まで、ファイル数制限あり) | あり(テンプレ・素材に制限あるが機能は豊富) |
| 個人向け有料 | Professional Full:月$16(年払い)≒約2,400円 | Pro:年8,300円(月約691円)/月払い1,180円 |
| チーム向け | Business:月$55/人(年払い) | Teams:月約$12.50/人 |
| AI機能 | 月3,000クレジット(Full Seat)、追加購入可 | Magic Studio(Pro以上で利用可) |
個人利用での価格差は明らかです。Canva Proは年払いなら月691円。Figma Professionalは月約2,400円。3倍以上の開きがある。ただし、これは「FigmaとCanvaのどちらが優れているか」ではなく「何に対して払うか」の違い。UIデザインの設計環境に払うのか、素材とテンプレートの使い放題に払うのかで話がまったく変わります。
※料金は2026年6月時点の情報です。為替変動やプラン改定の可能性があるため、最新の価格は各公式サイトで確認してください。
機能比較:何ができて、何ができないか
| 比較項目 | Figma | Canva |
|---|---|---|
| 主な用途 | UI/UXデザイン、ワイヤーフレーム、プロトタイプ | SNS画像、プレゼン、チラシ、動画 |
| テンプレート | 少ない(コミュニティ依存) | 61万点以上(公式) |
| 素材数 | プラグインで外部取り込み | 1億点以上(写真・動画・イラスト・音源) |
| プロトタイプ | 高機能(画面遷移・アニメーション・Dev Mode) | 簡易的 |
| 共同編集 | リアルタイム(業界最高水準) | あり(Figmaほど細かくはない) |
| ベクター編集 | 高精度(パス・アンカーポイント操作可) | 限定的 |
| 背景削除 | なし(外部ツール併用) | ワンクリック(Pro以上) |
| 自動リサイズ | なし | あり(マジックリサイズ) |
| スマホ編集 | 閲覧のみ | フル編集可能 |
| 日本語UI | あり(2022年〜) | あり |
Figmaの強みと気になるところ
Figmaの強みはプロトタイプ機能とリアルタイム共同編集。画面遷移のアニメーションを設計して、その場で動きを確認し、開発者にCSSやデザイントークンを共有する——この一連の流れがブラウザ上で完結する点は他にない。コンポーネント管理やブランチ機能もあるので、大規模なデザインシステムの運用にも耐えます。
気になるのは、テンプレートや素材の少なさ。Figmaは「素材を選んで完成」という使い方には向いていません。ゼロからデザインを組み立てる前提のツールなので、デザインの知識がないと何もできない壁がある。あと、スマホでの編集ができない点は、移動中に作業したい人には不便です。
Canvaの強みと気になるところ
Canvaの圧倒的な強みは「誰でも・すぐに・それなりのクオリティで」作れること。テンプレートを選んで文字と画像を差し替えれば、5分で完成品が出てくる。月691円でこの体験が手に入るのは、ぶっちゃけ破格です。
気になるのは、細かい調整がしにくいこと。パス編集やアンカーポイントの操作はCanvaではできないので、「あと少しだけ形を変えたい」が叶わない場面がある。それと、テンプレートに頼りすぎると他の人と似たデザインになりやすい。独自性が求められる場面では限界が見えます。
用途別の選び方:迷ったらここで判断
WebサイトやアプリのUIを作るなら → Figma一択
ワイヤーフレーム、プロトタイプ、デザインシステム。この3つが必要な時点でFigma以外の選択肢はほぼありません。開発者との連携もDev Modeで完結します。
SNS画像・ブログのアイキャッチ・プレゼン資料なら → Canva
テンプレートを使って短時間で仕上げる用途はCanvaの独壇場。特にSNS投稿は、Canvaのコンテンツプランナーで投稿スケジュールまで管理できるので、運用まで含めてCanva内で完結します。
副業でブログを書いている → Canva(無料でも可)
アイキャッチ画像、図解、OGP画像。ブログ運営で必要なデザインはCanvaの無料版でもだいたいカバーできます。背景削除やリサイズを多用するならPro(月691円)にする価値はありますが、まずは無料で試してみて判断するのが堅実。
チームでデザインを回すなら → 用途で分ける
プロダクト開発チーム(デザイナー+エンジニア)はFigma。マーケティングチーム(SNS・広告バナー量産)はCanva。両方のチームがある会社なら、両方契約するのが結局のところ一番効率がいい。
よくある質問
CanvaでWebデザインはできる?
簡易的なWebサイトやLPならCanvaでも作れます。ただしレスポンシブ対応やコンポーネント管理はFigmaの方が圧倒的に上。本格的なWebデザインを仕事として受けるなら、Figmaを覚えた方がいいです。
FigmaにCanvaのような素材はある?
Figma本体には含まれていませんが、プラグイン経由でUnsplashやIconsなどの素材を取り込めます。ただしCanvaのように「探す→貼る→完成」の体験とは別物。素材の充実度ではCanvaに大きく差をつけられています。
両方使うのはアリ?
アリです。むしろ併用している人は多い。FigmaでUIを設計しつつ、SNSバナーやプレゼン資料はCanvaで量産する、という使い分けが自然な形です。
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まとめ
FigmaとCanvaは「どちらが優れているか」ではなく「何を作りたいか」で答えが分かれるツールです。画面設計やプロトタイプが必要ならFigma、見栄えのいいビジュアルを手早く量産したいならCanva。どちらか1つに迷っているなら、自分がここ1ヶ月で一番時間をかけたデザイン作業を思い出してみてください。それがUIの設計だったならFigma、SNS画像や資料作りだったならCanva。答えは、すでに自分の作業ログの中にあるはずです。


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