ブログの自動化って、実際どこまでできるのか。
「AIに書かせて自動投稿すれば楽勝でしょ」というイメージと、「そんなの成立しないよ」という声、両方あります。白状すると、答えはその真ん中です。全自動は無理、でも8割は自動化できる。これが私が実際にMake.comとAIでこのブログを組んで回してきたうえでの本音です。
この記事では、ブログ自動化の全体像→現実的なやり方の手順→つまずきやすい点→他の選択肢との違い、の順で整理していきます。
そもそもブログ自動化はどこまでできるのか
ブログ自動化を「ボタン1つで完成記事が上がる仕組み」と思っていると、話がすれ違います。実態は、コンベアで完成品が流れてくるようなものではなくて、レゴブロックの部品と段取りを揃える作業に近い。組み方次第で自動化できる範囲が変わります。
具体的に、ブログの記事づくりを工程で分けると次のようになります。
- キーワード選定
- 競合調査・情報収集
- 構成づくり
- 本文執筆
- 校正・事実チェック
- 画像・アイキャッチ
- WordPressへの下書き投稿
- 公開設定(カテゴリ・SEOタグ・メタ)
- 公開
このうち、キーワード選定〜下書き投稿までは自動化できます。校正・事実チェック・公開ボタンを押すところは人間が持つ、というのが2026年時点の現実的なライン。完全自動で公開まで飛ばすと、事実誤りや価格情報の陳腐化がそのまま世に出るというオチが待っています。
やり方:Make.com+AI+WordPressの3点構成
ひとことで言えば、司令塔がMake.com、書き手がAI、置き場所がWordPress。この3つを線でつなぐのが基本形です。私もこの構成でブログを運用してきました。
ステップ1:キーワードの入り口を作る
Google Sheetsを1枚用意して、そこにキーワードを溜めます。列は「キーワード」「ステータス(pending/done)」「投稿日」の3つあれば十分。ここが自動化の出発点になります。
毎日Sheetsに1件ずつ手で書き足すのでもいいし、キーワードプランナーやツールから一括で流し込んでもいい。ここは手動で構いません。むしろ、書くテーマの選定は人間の判断がいちばん効くところなので、無理に自動化しないほうがいいです。
ステップ2:Make.comでシナリオを組む
Make.comの中で、以下の順に処理するシナリオを1本作ります。
- Google Sheetsからpendingのキーワードを1件取り出す
- AI(Claude、ChatGPT、Geminiなど)に構成と本文を書かせる
- できあがったHTMLをWordPressの下書きとして投稿する
- Sheetsのステータスをdoneに更新する
言葉で書くと4行ですが、実際にはモジュールが7〜10個くらい並びます。AIへのプロンプトを組み立てる部分、WordPressのREST API用に整形する部分、エラーを拾う部分——地味に細かい処理が挟まる。それでもコードは書きません。全部ドラッグ&ドロップで作れます。
ステップ3:AIに書かせるプロンプトを整える
ここが記事の質を決める最大のポイント。「〇〇について書いて」だけだと、AI臭のする無味乾燥な文章が出てきます。少なくとも次の要素は指定しないと厳しい。
- ペルソナ(誰の視点で書くか)
- 構成テンプレ(比較記事なのか、使い方記事なのか、料金記事なのか)
- 語尾のバリエーション(同じ語尾の3連続禁止など)
- NGワード(「〜と言えるでしょう」「いかがでしたか」など)
- アフィリンクの形式と挿入位置
- 禁止事項(架空の体験談を書かない、料金は最新情報を反映する等)
私はこのルール一式をmdファイルにまとめて、Makeのシナリオから呼び出す形にしていました。ここを詰めれば詰めるほど、出てくる原稿の仕上がりが変わります。
ステップ4:WordPressに下書きで投稿する
ここで大事なのは、公開ではなく下書きで止めること。WordPressのREST APIを使えば、Makeから直接下書き投稿ができます。
「せっかく自動化するなら公開まで飛ばしたい」と思うかもしれませんが、AIが書いた原稿をノーチェックで出すのは危険。事実誤り、料金の陳腐化、他社への言及ミス。下書きで止めて人間が5〜10分見る、これだけで防げるトラブルが山ほどあります。
ステップ5:人間が仕上げる(5〜10分)
下書きに落ちてきた記事を、次の観点でチェックします。
- 料金・数値が最新か(AIは古い情報を出すことがある)
- 事実誤りがないか
- 不自然な言い回しがないか
- アイキャッチとカテゴリの設定
- SEOタイトルとメタディスクリプション
ここまでやって公開。合計で1記事あたり5〜10分。手作業で1記事書くと2〜4時間かかることを考えると、圧倒的な短縮です。
費用感:月いくらでできるのか
この構成でかかるコストは、ざっくり次のとおり。
- Make.com:無料プラン(月1,000クレジット)でも数十記事は回せる。本格運用ならCoreプラン月10ドル前後
- AI API:Claude、ChatGPT、Geminiなどのモデルによって幅があるが、1記事あたり数十円〜数百円。月20〜30記事で数千円という感覚
- WordPress:ドメイン+レンタルサーバーで月1,000〜1,500円
合計で月3,000〜5,000円。人間が同じ量を書くと1記事4時間×20〜30本=80〜120時間の工数を考えると、桁が違います。
つまずきやすいポイント
Makeのクレジットが思ったより早く減る
Makeはモジュール1つの実行で1クレジット消費します。1つのシナリオに10モジュール入れて、それを毎日走らせると、月300クレジット。無料枠1,000のうち3割が1本のシナリオで消えます。エラーで途中まで動いた分もクレジット扱いになるので、設計をミスると余計にかかる。私も無料枠を使い切って、しばらく手動運用に戻した時期がありました。
AIのトークン切れで記事が途中で終わる
AIのAPI呼び出しには「最大トークン数」の設定があって、これが小さいと記事が途中でぶつ切りになります。デフォルトの4000だと、日本語で3000字ちょっとで止まります。8000以上に上げておくのが安全です。
WordPressのREST APIがブロックされている
エックスサーバーなど一部のレンタルサーバーは、セキュリティ強化のためデフォルトでREST APIのアクセスを制限しています。管理画面でこれを許可しないと、Makeから投稿しても401エラーが返ってくるだけ。案外ここで数時間ハマる人が多いです。
AI臭が抜けない
これは全員がぶつかる壁。「いかがでしたか」「〜と言えるでしょう」「〜することができます」——AIが書きたがる定型を潰さないと、読んだ瞬間にAI記事だとバレます。プロンプトでNGワードを列挙し、語尾のバリエーションを指示するのが最低ライン。それでも100%消えないので、人間チェックの段階で手を入れます。
他の選択肢との違い
Zapier
Make.comより有名で、UIも洗練されています。ただし料金がMakeの3〜5倍。1タスクあたりの単価が高く、ブログ自動化のような「毎日回す」用途だと積み上がります。使いやすさに月数十ドルを払える人向け。
n8n
オープンソースで、自前のサーバーに立てれば実質無料。月数万オペレーションを回しても追加費用なし。ただし自分でサーバー管理が必要で、技術的な下地がないと厳しい。ある程度の規模で運用する人向けの選択肢です。
Make専用のAI記事生成サービス
「AIブログ自動化サービス」のような月額サービスも増えていますが、自分でルールを詰められない、プロンプトをカスタムできない、料金がAPIを直接叩くより高い、などの制約が付きます。手軽さと引き換えに自由度を失う選択、というのが私の見立てです。
よくある質問
プログラミングの知識は必要ですか?
基本は不要です。Make.comもWordPressもGUIで完結します。ただしAI用のプロンプトを詰める段階では、論理的に手順を書き下す力は要ります。「コードは書けなくてもいいが、手順を整理する力は要る」という感覚。
SEOに影響しませんか?
AI生成そのものはペナルティ対象ではありません。Googleが問題視するのは「読者の役に立たない量産記事」であって、書き手が誰か(AIか人か)ではない、というのが公式見解です。実際、下書き自動化+人間仕上げの記事で、GSCで表示・クリックが取れています。
どのAIモデルがいちばん向いていますか?
用途によります。日本語の自然さで選ぶならClaude、汎用の書きやすさならChatGPT、コスト重視ならGemini。1本のシナリオで複数モデルを使い分けることもできます。
完全自動化にしないのはなぜですか?
料金情報の陳腐化と事実誤りが、そのまま世に出るからです。人間チェック5〜10分でリスクの9割が消えるので、この段階を飛ばす合理性がないというのが結論。時短の総量で考えれば、十分すぎるほど効いています。
まとめ:自動化する範囲は「決める作業」と「単純作業」で線を引く
ブログ自動化の勘所は、どこからどこまでを機械に任せるかの線引きです。基準はシンプル。決める作業(何を書くか、どこを直すか、公開するか)は人間、単純作業(下調べ・下書き・投稿手続き)は機械。この線を引ければ、自動化は道具として機能します。
「AIに全部書かせて自動投稿すれば楽勝」と思って始めると、たいてい破綻します。逆に「AIは信用できないから全部手で書く」だと、量が積み上がりません。両極ではない中間に、現実的な答えがあります。
私がこの構成で回していたときに使っていたのがMake.comです。無料プランでも数十記事は試せるので、まずシナリオを1本組んでみるのが早いと思います。仕組みが分かると、自動化の解像度が一気に上がります。
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