Make.com vs Power Automate、どっちを選ぶ?2026年の判断基準

AIツール比較

この2つ、「自動化ツール」という括りが雑すぎる

Make.comとPower Automate。どちらも「ノーコードで業務を自動化するツール」と紹介されますが、実際に並べてみると、生まれも育ちも別物です。Makeはチェコ発の独立系で、あらゆるWebサービスを対等につなぐ思想。Power AutomateはMicrosoft製で、Microsoft 365という帝国の中を自動化する思想。

だから答えを先に言ってしまうと、会社がMicrosoft 365中心ならPower Automate、それ以外ならMake。この記事は、その結論の根拠を料金と機能で確かめていく構成です。

立ち位置の違い:独立系の万能ハブ vs Microsoft帝国の内政官

Make.com=サービスの垣根なくつなぐキャンバス

Makeは1,500以上のアプリを、視覚的なキャンバス上でつないでいくツール。Gmail、Slack、Notion、ChatGPT、Webhook——どのサービスも対等な「モジュール」として扱われ、ドラッグでつなぐだけで自動化の流れ(シナリオ)が完成します。私はこのブログの記事生成をMakeで組んで運用していましたが、処理の流れが図として見えるので、複雑な分岐でも頭に入りやすいのが良さでした。

Power Automate=Microsoft 365の中を流れる水路

Power AutomateはOutlook、Teams、SharePoint、Excelといった Microsoft製品との統合が本体です。「Teamsに投稿されたらExcelに記録」「承認フローをOutlookで回す」のような社内業務の自動化は、追加費用なしで始められることが多い。しかも、PCの画面操作そのものを自動化するデスクトップRPA(Power Automate Desktop)がWindows 10/11に無料で付いてくる。これはMakeにはない武器です。

料金比較:ここに一番大きな罠がある

項目 Make.com Power Automate
無料で使える範囲 月1,000オペレーション・シナリオ2個 M365付帯なら標準コネクタのクラウドフロー/Desktop版RPAは無料
有料の入口 Core:月$9(約1,350円) Premium:月2,248円/ユーザー(年払い・税抜)
外部サービス連携 無料プランから1,500以上 プレミアムコネクタは有料(Salesforce、HTTPなど)
大量処理向け プラン上位でオペレーション追加 Process:月22,488円/ボット

注意してほしいのがPower Automateの「無料に見えて無料じゃない」構造です。Microsoft 365のライセンスに含まれるのは標準コネクタだけ。外部SaaSとの本格連携やHTTPリクエストは「プレミアムコネクタ」扱いで、ユーザーごとに月2,248円のPremiumが必要になります。ここだけの話、HTTPリクエストすら有料の壁の向こうにあるのは、Makeユーザーから見るとかなり驚く仕様だったりします。

一方Makeは、無料プランの時点で1,500以上のアプリとHTTP/Webhookが全部使える。個人が「いろんなサービスをつなぎたい」なら、コスト構造はMakeが圧倒的に素直です。

※料金は2026年7月時点の情報です。特にMicrosoftのライセンス体系は改定が多いので、最新は各公式サイトで確認してください。

項目別比較

比較項目 Make.com Power Automate
操作画面 キャンバス型。流れが図で見える リスト+フローチャート型
日本語UI なし(英語のみ) あり
Microsoft製品との統合 ○(コネクタ経由) ◎(本体そのもの)
外部SaaS連携の広さ ○(プレミアム課金前提)
デスクトップRPA なし ◎(Windowsに無料付帯)
複雑な分岐・データ加工 ルーター・イテレーターが強力
ライセンスのわかりやすさ ◎ シンプル △ 初見では把握困難

Makeの強みと気になるところ

強みは、コスパと表現力。無料枠から外部連携がフルに使え、複雑な条件分岐やループもキャンバス上で直感的に組める。個人や小規模チームが「SaaSを横断する自動化」を作るなら、頭ひとつ抜けています。

気になるところは2つ。UIが英語のみなこと(操作自体はアイコンベースなので、実際の壁は見た目より低いですが)。そしてPC内のローカル操作は自動化できないこと。「Webサービス間」がMakeの領土で、デスクトップは領土外です。

Power Automateの強みと気になるところ

強みは、Microsoft環境との一体感と、無料のデスクトップRPA。会社支給のWindows PCで「毎朝のExcel転記を自動化したい」なら、追加契約ゼロで今日始められる。日本語UIと日本語情報の多さも、英語が苦手な人には効きます。

気になるところは、ライセンス体系の複雑さ。無償版・M365付帯・Premium・Process・従量課金と階層が多く、「やりたいことにどのライセンスが必要か」を調べる段階で消耗します。正直、この調査コスト自体がPower Automate導入の隠れた初期費用です。

用途別の選び方

個人・副業・小規模チームでSaaSをつなぎたい → Make

Gmail、Slack、Notion、AI連携。この世界の住人なら迷わずMake。無料で始めて、足りなくなったら月$9。

会社がMicrosoft 365で回っている → Power Automate

Teams・Outlook・SharePoint中心の社内業務なら、既存ライセンスで始められるPower Automateが自然。情シスの承認も取りやすい。

PCの画面操作(レガシーシステムへの入力など)を自動化したい → Power Automate Desktop

ここはMakeでは代替できません。Windowsなら無料なので、試さない理由がない。

両方の世界に足がある → 併用もあり

社内はPower Automate、外部SaaS連携はMake、という分担は普通に成立します。どちらも無料で始められるので、1つずつ小さいフローを作って肌に合う方を見極めるのが確実です。

よくある質問

初心者にはどっちが簡単?

日本語UIと情報量ではPower Automate、構造のわかりやすさではMake。「英語アレルギーがなければMake、あればPower Automate」くらいの分かれ方だと思います。

AIとの連携はどっち?

MakeにはOpenAI・Anthropic・Geminiの公式モジュールがあり、シナリオにAI処理を挟むのが簡単です。Power AutomateもCopilot統合が進んでいますが、Microsoft外のAIモデルを柔軟に使うならMakeに分があります。

Zapierとの三つ巴で見ると?

Zapierはシンプルさ特化で最安有料が月$29.99と高め。コスパと表現力のMake、Microsoft統合のPower Automate、簡単さのZapier、という三角形です。

Make.comを試してみたい方は、無料プランから始められます。

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まとめ

Make.com vs Power Automateの答えは、ツールの優劣ではなく自分の環境で決まります。Microsoft 365の中で生きているならPower Automate、SaaSを横断して個人や小規模で自動化を組むならMake。判断に迷うなら、「自動化したい作業を3つ書き出して、それがMicrosoft製品の中で完結するか」を見てください。完結するならPower Automate、1つでも外部サービスが混ざるなら、Makeの方がたぶん幸せです。

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