MakeとClaudeをつなぐと、何が起きるのか。
私の場合は「朝起きるとWordPressにAIの書いた下書きが届いている」でした。このブログの記事生成は、Make.comとClaude(Anthropic)の連携で回していた時期があります。キーワードを渡すと記事が書き上がり、下書きまで届く。その接続部分の作り方を、実際に運用していた設定込みで解説します。
役割分担はシンプルです。Claudeは筆のいい外部ライター、Makeは締切どおりに原稿を回収して入稿する進行管理。この2人を雇う手順、といったところです。
そもそも何ができるのか
MakeにはAnthropic Claudeの公式モジュールがあり、プロンプトを送って返答を受け取る処理をシナリオに組み込めます。定番の使い方はこのあたり。
- 記事・文章の生成:キーワードから記事を書かせてWordPressに下書き投稿(私がやっていた構成)
- 要約:長いメールやRSSの記事を要約してSlackやLINEに流す
- 整形・分類:フォームの回答を整えてスプレッドシートに記録、問い合わせを種類分け
- 翻訳・リライト:多言語対応や文体の統一
ChatGPTでも同種のことはできますが、あくまで私見ですが、日本語の長文をまとまった品質で書かせる用途ではClaudeに分があると感じています。記事生成が目的なら、選択肢として有力です。
前提:Claude APIは「アプリの課金」とは別物
最初に混同しやすい点を。ClaudeのアプリやWebで使う月額プラン(Pro等)と、Makeから使うAPIは別の契約です。Proに入っていてもAPIは使えず、APIには別途、従量課金のクレジットをチャージします。
料金はトークン(文字数のようなもの)ベースの従量制。モデルによって単価が違い、ブログ記事1本(4,000字前後)の生成なら、標準的なモデルで1本あたり数円〜十数円が目安です。月30本書いても数百円。固定費ゼロで使った分だけなので、個人の自動化では財布に優しい部類です。単価とモデル構成は改定が入るので、最新はAnthropicの公式料金ページで確認してください。
接続手順:3ステップ
ステップ1:AnthropicのAPIキーを取得する
- Anthropic Console(console.anthropic.com)にアカウントを作る
- 支払い設定でクレジットをチャージする(少額からでOK。最初は5ドルもあれば十分試せます)
- API Keysのページで新しいキーを発行し、コピーして控える(表示は一度きり。閉じる前に必ず保存)
ステップ2:MakeでClaudeの接続を作る
- シナリオにAnthropic Claudeモジュール(Create a Message系)を追加
- Connection欄で「Add」を押し、ステップ1のAPIキーを貼り付けて保存
エラーなく保存できれば接続完了。WordPressやX連携のような周辺設定がないぶん、接続自体は連携系でいちばん簡単な部類です。
ステップ3:モジュールを設定する
設定項目は主に3つ。
- Model:使うモデルを選択。記事生成のような品質重視なら標準〜上位モデル、要約・分類のような軽い処理なら軽量モデル、と使い分けるとコストが締まります
- プロンプト:指示文。ここに他モジュールのデータ(キーワード、メール本文など)をマッピングして差し込みます
- Max Tokens(重要):出力の上限。Advanced settingsの中にあり、初期値のままだと日本語の長文は途中で切れます
最重要のつまずき:記事が途中で切れる問題
Make×Claudeで最初にぶつかる壁が、ほぼ間違いなくこれです。生成された記事の最後が「〜という点で」でぷつっと終わっている。エラーは出ていないのに、です。
原因はMax Tokensの初期値が小さいこと。私も運用初期にこれを踏み、原因究明にしばらくかかりました。結論、Advanced settingsを開いてMax Tokensを8000に設定。これで4,000字級の日本語記事が最後まで出るようになりました。日本語は英語よりトークンを多く消費する(体感で1〜1.5倍)ため、英語基準の初期値では足りないわけです。長文用途なら、まずここを触ってください。
実例:私が回していた記事生成シナリオ
運用していた構成を簡略化するとこの4つです。
- Google Sheets:キーワードリストからpendingの行を1件取得
- Anthropic Claude:キーワード+執筆ルールをプロンプトで渡し、HTML形式で記事を生成
- WordPress:下書き(Draft)として投稿
- Google Sheets:その行をdoneに更新
運用のポイントは2つありました。ひとつは、プロンプトに「HTMLタグで出力」「架空の体験談を書かない」などのルールを細かく書き込むこと。出力の質はモデルよりプロンプトで決まる場面が多い、が実感です。もうひとつは公開まで自動化しないこと。AIの原稿には料金の古さや事実の誤りが混ざるので、下書きで止めて人間が数分チェックする設計にしていました。
コストの実際
財布は2つあります。Makeのクレジット(モジュールの実行数。上の構成で1回4〜5、毎日でも月150前後で無料枠内)と、ClaudeのAPIクレジット(トークン従量。記事1本で数円〜十数円)。合計しても、月30記事で数百円のオーダーでした。
地味に効く節約は、処理ごとのモデルの使い分けです。全部を上位モデルに投げるのではなく、タイトル案や分類のような軽い処理は軽量モデルへ。単価差が数倍あるので、ここだけで請求が目に見えて変わります。
よくある質問
ChatGPT連携とどちらを選べばいいですか?
軽い整形・分類・アイデア出しならどちらでも差は小さいです。日本語の長文生成が主目的ならClaude、既にChatGPT APIの資産があるならそのまま、が私の使い分けです。Makeなら両方のモジュールを1シナリオに混ぜることもできます。
Claude Proに入っていればAPIは無料ですか?
いいえ、別契約です。Proはアプリ・Web用、APIは開発者向けの従量課金。Makeから使うのはAPI側なので、Consoleでのチャージが必要です。
APIキーが漏れたらどうなりますか?
他人にクレジットを消費される恐れがあります。キーはMakeのConnection以外に貼らない、公開の場に書かない、不安になったらConsoleで無効化して再発行、が基本動作です。前払い制なので、青天井で請求される構造ではない点は安心材料です。
1回のプロンプトはどれくらいの長さまで渡せますか?
Claudeは長文の読み込みに強く、実用上、ブログ記事の生成ルール一式や長いメールをそのまま渡す程度ならまったく問題ありません。むしろルールを渡し込むほど出力が安定します。
まとめ:最初の1本は「要約」から始めるのが近道
いきなり記事生成のような大物を組むより、最初の1本は「長いメールを3行に要約してSlackへ」くらいの軽いシナリオがおすすめです。モジュール2つ、10分で組めて、プロンプトとMax Tokensの感覚がつかめる。その感覚さえ掴めば、記事生成はその延長線上にあります。
私はこの連携でブログ運営の形が変わりました。書く力を借りる相手としてのClaudeと、それを毎日確実に回す仕組みとしてのMake。分業の気持ちよさは、1本動かすと分かります。
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