先に前提から。MakeとWebflowのCMS連携をやるなら、Webflowの月25ドルのPremiumプランが必要です。
ここを知らずに進めると、接続設定の途中で行き止まりに当たります。2026年5月13日にWebflowが料金体系を刷新し、CMS機能の置き場所が変わったからです。この記事では、まず変わった前提を整理してから、接続の手順とつまずきポイントを解説します。
そもそも何ができるのか
MakeのWebflowモジュールを使うと、CMSコレクション(記事や実績などのデータ置き場)の操作を自動化できます。よくある使い方はこの3方向。
- 外→Webflow:スプレッドシートやAIで作ったコンテンツを、CMSに自動で流し込む
- Webflow→外:フォームの送信を受けて、Slackに通知したり顧客リストに追加したり
- CMSの一括メンテ:大量のアイテムを一気に更新・削除する
要するに、Webflowの管理画面で1件ずつポチポチやっている作業を、外から機械にやらせるということです。10件なら手作業でもいいですが、100件になると話が変わります。
前提の確認:2026年5月にプラン構成が変わった
Webflowの料金は、サイト単位の「Site Plan」とアカウント単位の「Workspace Plan」の二階建てです。連携で関係してくるのはSite Planのほう。
| Site Plan | 月額(年払い) | CMS | 使えるか |
|---|---|---|---|
| Starter | 0ドル | なし | × 独自ドメイン公開も不可 |
| Basic | 約15ドル | なし | × CMS連携は不可 |
| Premium | 約25ドル | あり | ◎ ここから |
| Team | 約2,500ドル | あり | 組織向け |
ポイントは、月15ドルのBasicにCMSが付いていないこと。以前は中間にCMSプランがありましたが、2026年5月の改定でCMSとBusinessが廃止され、Premiumに統合されました。つまりCMSを使いたければ、選択肢はPremium一択になったわけです。
古い解説記事には「CMSプランなら月23ドル」といった記述が残っていますが、そのプランはもう存在しません。プラン名で検索すると混乱するので、金額とCMSの有無で判断してください。なお料金はドル建てで、既存契約者は次回更新時に新体系へ移行する形とされています。契約前にWebflow公式で現在の内容を確認してください。
接続の3ステップ
ステップ1:WebflowでAPIトークンを発行する
MakeがWebflowを操作するための鍵を用意します。Webflowのサイト設定からAPIアクセス(Apps & Integrations)の項目を開き、新しいAPIトークンを生成します。
このとき、トークンに与える権限(スコープ)を選びます。CMSアイテムの作成・更新をするなら、CMSの読み書き権限が必要。サイトの公開処理まで自動化するなら、公開権限も付けます。権限が足りないとMake側で「操作できません」系のエラーになるので、迷ったら必要そうな範囲を含めておくのが無難です。
発行されたトークンは一度しか表示されません。閉じる前に必ずコピーして控えてください。
ステップ2:MakeでWebflowの接続を作る
- Makeのシナリオ画面でWebflowモジュール(Create an Item など)を追加
- Connection欄の「Add」を押す
- ステップ1のAPIトークンを貼り付けて保存
接続方式にはOAuth(Webflowのログイン画面で許可する方式)を使える場合もあります。個人で自分のサイトを操作するだけならトークン方式がシンプル。どちらでも動きます。
ステップ3:コレクションとフィールドを指定する
接続できたら、モジュールの設定で対象を選びます。
- Site:操作したいサイトを選択
- Collection:記事なら「Blog Posts」など、対象のコレクションを選択
- フィールド:タイトル、本文、日付などに、他のモジュールから受け取ったデータをマッピング
ここまで来れば、あとは実行するだけ。設定自体はシンプルなので、詰まるとしたら次の章のポイントです。
つまずきやすいポイント
CMSに入れただけでは、サイトに出ない
これが最大の落とし穴です。Makeでアイテムを作成しても、それだけではライブサイトに表示されません。Webflowは「公開(Publish)」の操作をして初めて反映される仕組みだからです。
対処は2つ。Makeのモジュール設定で下書きではなくライブ扱いにするか、シナリオの最後にサイト公開のモジュールを追加するか。ただし公開処理はサイト全体に影響するので、1件ごとに毎回公開を走らせるのではなく、まとめて投入してから最後に1回公開する組み方のほうが行儀がいいです。
Slugの重複でエラーになる
WebflowのCMSアイテムには、URLの一部になるSlug(識別子)があり、これは重複できません。同じタイトルのアイテムを2件作ろうとすると、2件目でエラーになります。
日本語タイトルをそのままSlugにすると変換の問題も出るので、日付や連番を組み合わせて一意になる形をMake側で作っておくと安全です。地味な部分ですが、一括投入をやると必ずここに当たります。
フィールド名は「表示名」ではない
Webflowの管理画面で「記事本文」と表示されているフィールドも、APIから見ると別の識別子を持っています。Makeのモジュール上では基本的に表示名で選べますが、うまくデータが入らないときは、この表示名と内部名のズレを疑ってください。
参照フィールドはIDで指定する
カテゴリや著者など、他のコレクションを参照するフィールドは、名前ではなくアイテムのIDで指定する必要があります。「カテゴリ:自動化」と文字で渡しても通りません。事前にカテゴリ一覧を取得してIDを調べるモジュールを挟むか、IDをスプレッドシートに控えておく方式が実用的です。
大量処理はレート制限に当たる
WebflowのAPIには単位時間あたりの上限があります。1,000件を一気に流すと途中で弾かれるので、Makeのモジュール間にSleep(待機)を挟むか、1回の処理件数を絞ってスケジュール実行に分けるのが定石です。
実例:スプレッドシートからCMSへ一括投入
いちばん需要のある構成を、流れだけ書いておきます。
- Google Sheets:記事データの行を取得(ステータスが「未投入」のものだけをフィルターで絞る)
- Webflow(Create an Item):コレクションにアイテムを作成。Slugは日付+連番で生成
- Google Sheets:その行を「投入済み」に更新
- Webflow(Publish Site):最後に1回だけサイトを公開
フィルターを1番の直後に置いておくと、処理済みの行を無駄に読まずに済みます。ここはMakeの基本ですが、一括処理では効きが大きい部分です。
WordPress連携と比べてどうか
私はこのブログの記事生成をMake.comで組んで運用していましたが、そちらはWordPress側でした。両方を触った人の話や仕様を突き合わせると、違いはこのあたりに出ます。
- 接続の手軽さ:WordPressはアプリケーションパスワードだけで済むが、サーバー側のREST API制限に引っかかることがある。Webflowはトークンの権限設定が必要な代わりに、サーバー側の事情に振り回されない
- 公開の考え方:WordPressは投稿ごとに公開状態を持つ。Webflowはサイト全体の公開処理が要る
- コスト:WordPressはレンタルサーバー代(月1,000円前後)、WebflowはPremiumで月25ドル。ブログ用途ならWordPressのほうが安い
- デザインの自由度:ここはWebflowが強い。CMSは型枠のようなもので、同じ形のデータを流し込めば見た目が勝手に揃う。デザインの品質を保ったまま量産できるのは、Webflowの明確な利点です
どちらが上という話ではなく、デザイン主導のサイトならWebflow、コストと情報量ならWordPress、という住み分けだと思います。
よくある質問
Basicプラン(月15ドル)では本当に連携できませんか?
CMSアイテムの操作はできません。CMS機能そのものがプランに含まれていないためです。フォーム送信を受け取って外部に通知する、といったCMSを使わない連携なら可能性はありますが、Make×Webflowの主目的がCMS操作である以上、実質Premium前提と考えてください。
無料のStarterプランで試せますか?
設計や動作の練習はできますが、独自ドメインへの公開ができず、CMSもありません。連携の検証をするなら有料プランが必要です。
MakeのどのプランがあればWebflow連携できますか?
Makeは無料プランでも連携できます。月1,000クレジットの範囲なら、1日数十件の処理で十分収まります。財布が2つ(WebflowとMake)ある構造ですが、重いのはWebflow側です。
eコマース機能も自動化できますか?
Webflowのeコマースは別体系のプランになるため、まずそちらの契約が前提です。商品や注文の操作モジュールも存在しますが、通常のCMS連携より仕様が複雑になります。
まとめ:連携の可否は「プラン表のCMS欄」で決まる
Make×Webflowでやることの技術的な難易度は、正直それほど高くありません。トークンを発行して、コレクションを選んで、フィールドを埋める。手順としてはWordPress連携と大差ないレベルです。
むしろ判断が要るのは、その手前。月25ドルを払ってでもWebflowでCMSを回すのか、それとも別の土俵で戦うのか。自動化の設計図を描く前に、まずプラン表のCMS欄を見る——それがこの連携の実質的なスタートラインです。
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