片方は月10ドルから始まる有料専門ツール。もう片方はChatGPTのおまけとして無料でも触れる機能。
MidjourneyとDALL-E 3は、同じ「画像生成AI」として並べられがちですが、商売の仕方からして違います。前者は画づくりに全振りした職人の写真スタジオ、後者は会話しながら直してくれる隣の席のデザイナー。求めるものが違えば、答えも変わります。
ただ、比較に入る前に、どうしても先に片付けておくべき前提が1つあります。
前提:DALL-E 3はもう現行モデルではない
2026年時点で「DALL-E 3を使いたい」と検索している人に、正確な情報をお伝えします。
- DALL-E 3のAPIは2026年5月12日に廃止されました。開発者が古いモデル名で呼び出すとエラーになります
- ChatGPTの画像生成も世代交代済み。2025年12月にGPT Image 1.5へ、2026年4月には「ChatGPT Images 2.0(gpt-image-2)」へ切り替わっています
- ただし使い方は何も変わっていません。ChatGPTに「〜の画像を作って」と頼むだけ。ユーザー側は意識せず新しいモデルを使っています
つまり「DALL-E 3 vs Midjourney」の実質は、いま比べるなら「ChatGPT Images 2.0 vs Midjourney」です。この記事でも、以降はOpenAI側を現行の呼び方で進めます。ネット上には旧名称の記事が大量に残っているので、料金や性能の情報を見るときは日付を確認してください。
2つの立ち位置の違い
Midjourney:画の質に全振りした有料サービス
Midjourneyは、生成される画像の美しさで評価を築いてきたサービスです。質感、光の入り方、構図の説得力。とくに写真的・絵画的な表現で「そのまま作品として成立する」レベルの出力が出てきます。
ビジネスモデルも潔くて、無料プランは存在しません。広告もフリーミアムもなく、純粋なサブスクリプション一本。使いたければ最低でも月10ドル払う、という構えです。かつては無料トライアルがありましたが、アクセス過多で廃止されました。
ChatGPT Images:会話の延長で画像が出てくる手軽さ
こちらは、独立した画像生成サービスというより、ChatGPTの機能の1つです。チャットで「こういう画像がほしい」と頼み、出てきたものに「もう少し明るく」「文字を大きく」と会話で修正していく。
強みは、このやり取りしながら直せる体験と、画像内の文字の再現性です。日本語のテキストを画像に入れる場面で、以前の世代とは別物と言えるくらい改善しています。バナー、図解、資料用の挿絵といったビジネス用途では、この差が決定的に効いてきます。
料金の比較(2026年時点)
Midjourneyの料金
| プラン | 月払い | 年払い(月換算) | 主な違い |
|---|---|---|---|
| Basic | 10ドル | 8ドル | Fast GPU 約3.3時間、生成枚数に限りあり |
| Standard | 30ドル | 24ドル | Relaxモードで生成無制限 |
| Pro | 60ドル | 48ドル | Stealthモード(生成画像を非公開) |
| Mega | 120ドル | 96ドル | Fast GPU 最大、同時生成数も最大 |
年払いは全プラン20%オフ。円換算では1ドル150円としてBasicが月約1,500円、Standardが月約4,500円が目安です。
プランの分かれ目は「Fast GPU時間」と「Relaxモード」。Fastは優先的にすぐ生成される枠で、これを使い切るとBasicでは生成が止まります。Standard以上なら、待ち時間はあるものの生成し放題のRelaxモードが使えます。試行錯誤を何十回も繰り返すのが画像生成の常なので、実質のスタートラインはStandardと考えるのが現実的です。
ChatGPT Imagesの料金
ChatGPTのプランに準じます。無料枠でも画像生成は使えて(回数制限あり)、本格的に使うなら有料プラン(月額約20ドル・日本円で約3,000円前後)。有料プランでは、描く前に構成を考える「Thinking Mode」のような機能も使えます。
ここが両者の非対称なところ。とりあえず試すコストがゼロかどうかで、入り口の高さがまるで違うわけです。
なお、どちらもドル建てで価格改定も入る領域です。契約前に公式の料金ページで最新額を確認してください。
項目別の比較
| 項目 | Midjourney | ChatGPT Images |
|---|---|---|
| 画の質感・芸術性 | ◎ 頭ひとつ抜けている | ○ 実用十分 |
| 画像内の日本語テキスト | △ 苦手 | ◎ 得意 |
| 指示への忠実さ | ○ 独自の解釈が入る | ◎ 言ったとおりに出る |
| 会話での修正 | △ 再生成が基本 | ◎ 対話で直せる |
| 無料で試せるか | × 不可 | ◎ 回数制限つきで可 |
| アニメ・イラスト調 | ◎ Nijiモデルあり | ○ 可能 |
| 操作の手軽さ | ○ Web版で改善 | ◎ チャットのみ |
| 商用利用 | ○ 有料契約者は可 | ○ 規約の範囲で可 |
Midjourneyの気になるところ
まず、無料で試せないこと。画像生成AIは相性の要素が大きいので、「合わなかったら1か月分が無駄」というリスクを最初に飲む必要があります。
次に、画像の中に文字を入れるのが苦手なこと。バナーやサムネイルのように文字が主役のものを作りたい場合、Midjourneyで背景を作って別ツールで文字を乗せる、という二段構えになりがちです。
そしてもう1つ、意外と見落とされがちな点。Proプラン未満では、生成した画像が他のユーザーから見える状態になります。仕事の企画段階のビジュアルを作るような場面では、月60ドルのProが必要になる。この条件を知らずにStandardで始めて、あとから困るケースがあります。
商用利用については有料契約者なら基本的に可能ですが、年間売上が一定規模を超える企業はProまたはMega契約が必要という条件が付きます。
ChatGPT Imagesの気になるところ
画の「作品としての格」では、まだMidjourneyに一歩譲る場面があります。特に写真的なリアリティや、絵画的な質感の深さ。並べて見比べると、Midjourneyのほうが「おっ」と思わせる率は高い、というのが私としての正直な評価です。
もう1つは、無料枠だと生成回数がすぐ上限に当たること。何十枚も試行錯誤する使い方には向かず、実質は有料プラン前提になります。
あと、これは好みが割れるところですが、指示に忠実すぎて予想外の面白い絵が出にくい面もあります。Midjourneyの「頼んだ以上のものが返ってくる」感覚を期待すると、物足りなく感じるかもしれません。
用途別の選び方
Midjourneyを選ぶ場面
- 作品性の高いビジュアルを作りたい(アート、コンセプト画、世界観づくり)
- 写真的なリアリティや質感を追求したい
- アニメ・イラスト調を本格的に作りたい(Nijiモデル)
- 月30ドル前後を投資として払える
ChatGPT Imagesを選ぶ場面
- 資料やブログの挿絵、図解を手早く作りたい
- 画像に日本語の文字を入れる必要がある
- 会話しながら「もう少しこう」と詰めていきたい
- まず無料で画像生成そのものを試したい
- すでにChatGPTの有料プランを使っている
迷うのはこの層
正直に言うと、判断に迷うのは「ブログや副業で、そこそこ見栄えのいい画像がほしい」という中間層です。言ってしまえば、どちらでも成立してしまう。
私としては、この層はChatGPT Images(すでに契約しているなら追加費用ゼロ)から始めて、画のクオリティが自分のボトルネックだと実感したらMidjourneyへ、という順番を推します。逆の順番だと、月30ドルの価値を判断する基準を持たないまま払うことになるので。
よくある質問
DALL-E 3はもう使えないのですか?
API経由では使えません(2026年5月12日に廃止)。ChatGPT上での画像生成は引き続き使えますが、中身は新しいモデルに置き換わっています。名前が変わっただけで、機能が失われたわけではありません。
Midjourneyに無料トライアルはありますか?
現時点ではありません。公式が期間限定で再開する可能性に触れたことはありますが、具体的な予定は発表されていない状況です。無料で画像生成を試したいなら、ChatGPTやその他の無料枠があるツールから入るのが現実的です。
Discordを使わないとMidjourneyは使えませんか?
いいえ。Web版が正式に提供されており、ブラウザだけで生成から編集まで完結します。Discordの操作に不慣れでも問題ありません。
商用利用で気をつけることは?
両者とも規約の範囲で商用利用は可能ですが、条件は異なります。Midjourneyは有料契約が前提で、企業規模による上位プラン要件があります。OpenAI側もプランと用途によって扱いが変わるので、収益が絡む使い方をする前に、それぞれの利用規約を確認してください。ここは自己判断せず、原文にあたる価値があります。
結局、画質はどちらが上ですか?
作品性・質感ならMidjourney、指示の忠実さと文字の再現ならChatGPT Images——という住み分けです。「どちらが上」ではなく「何を上とするか」で答えが変わる段階に入っています。
まとめ:作りたい画像に文字が入るかどうかで、ほぼ決まる
迷ったときの分かれ道は、意外とシンプルです。これから作りたい画像に、文字は入りますか。
入るなら(バナー、サムネイル、図解、資料)ChatGPT Images。入らないなら(アート、背景、コンセプト画、世界観)Midjourney。この1問だけで、大半のケースは決着します。
そして忘れてはいけないのが、この分野は1年で名前ごと変わるということ。DALL-E 3という名前が実質役目を終えたように、今日の最適解が来年も最適とは限りません。年単位の契約より、まず月単位で試す。それが、動きの速い領域との付き合い方だと思います。
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