登録した。画面を開いた。……で、何をすれば?
Make.comのアカウントを作って、真っ白なキャンバスを前に手が止まる。シナリオが大事らしいのはわかったけど、具体的に何をどの順番でやればいいのか。最初の壁はだいたいここです。
結論から言うと、シナリオ作りは7つのステップに分解できて、最初の1本は30分あれば完成します。私もこのブログの記事生成をMake.comで組んで運用していましたが、複雑に見えるシナリオも、やっていることは今日説明する基本の繰り返しでした。
先に用語を3つだけ
Make.comの画面で迷子にならないために、これだけ押さえてください。
- シナリオ(Scenario):自動化の流れ1つ分。「メールが来たらSlackに通知する」で1シナリオ
- モジュール(Module):シナリオを構成する部品。GmailやSlackのアイコン1個が1モジュール
- トリガーとアクション:モジュールの2つの役割。トリガーは「きっかけ」(メールが来たら)、アクションは「処理」(Slackに送る)。シナリオは必ず1つのトリガー+1つ以上のアクションでできています
言ってしまえば、シナリオ作りとは「トリガーを1個決めて、アクションをつなげる」だけの作業です。以降のステップはぜんぶこの言い換えにすぎません。
シナリオ作成の7ステップ
例として「特定の件名のGmailを受信したら、Slackに通知する」シナリオを作ります。
ステップ1:新規シナリオを開く
左メニューの「Scenarios」→「Create a new scenario」。中央に「+」だけが浮かぶキャンバスが開きます。ここが作業場です。
ステップ2:トリガーのモジュールを置く
「+」をクリックして検索窓に「Gmail」と入力。モジュール一覧から「Watch Emails」(メールを監視する)を選びます。トリガーになれるモジュールには時計マークが付いているので、迷ったらそれを目印に。
ステップ3:アカウントを接続する(Connection)
モジュールを置くと、そのサービスへのログイン認証を求められます。Googleアカウントならポップアップで許可するだけ。一度つなげば、次のシナリオからは同じ接続を使い回せます。
ステップ4:トリガーの条件を設定する
どのフォルダを監視するか(INBOX)、どんな条件のメールを拾うか(件名に「請求書」を含む、など)を設定します。ここで条件を絞っておくほど、あとで無駄な実行が減ります。
ステップ5:アクションのモジュールをつなげる
Gmailモジュールの右の「+」から「Slack」を検索し、「Create a Message」を選択。通知先チャンネルを選び、メッセージ本文を作ります。
ここで出てくるのがマッピングという操作。前のモジュール(Gmail)が取得したデータ——件名、送信者、本文——が一覧で表示されるので、クリックしてSlackのメッセージ欄に埋め込みます。「新着メール:【件名】(差出人:【送信者】)」のような形。コードは一切書きません。
ステップ6:Run onceでテスト実行する
画面左下の「Run once」をクリックして、自分宛にテストメールを送ります。各モジュールの上に数字の吹き出しが出れば、データが流れた証拠。吹き出しをクリックすると、どんなデータが入出力されたか中身まで確認できます。エラーが出たら赤く表示されるので、どこで失敗したかは意外とすぐわかります。
ステップ7:スケジュールを設定して有効化する
テストが通ったら、左下のスイッチをON。実行間隔(無料プランは最短15分)を設定すれば、シナリオが本番稼働に入ります。以降は放っておいても勝手に動き続けます。
ここまでで最初の1本が完成。お疲れさまでした。
初心者がつまずく3ポイント
マッピングで何を選べばいいかわからない
いちばん多いつまずきがここです。コツは、迷ったら一度Run onceを回して、実行履歴で「実際にどんなデータが取れているか」を見ること。データの中身が見えると、どの項目をどこに入れればいいかが具体的にわかります。頭で考えるより、1回流して目で見る方が早い。
テストせずに有効化してしまう
メール送信やデータ書き込みを含むシナリオをテストなしでONにすると、意図しない送信・書き込みが本当に起きます。Run onceでの確認は省略しないでください。これは経験者からの忠告です。
シナリオ名を適当につける
「New scenario」のまま量産すると、3本目あたりでどれが何かわからなくなります。「Gmail請求書→Slack通知」のように、トリガー→アクションがわかる名前を最初につけておくのが地味ながら効きます。
ゼロから作らない選択肢:テンプレートとBlueprint
Make.comには公式テンプレートが大量に用意されていて、「Templates」から検索すると、今回のようなシナリオはガイド付きで半自動的に組めます。構造の勉強にもなるので、2本目以降はテンプレートを開いて中身を観察するのもおすすめ。
もうひとつがBlueprint。シナリオの設計図をJSONファイルで書き出し・読み込みできる機能で、他の人が公開しているシナリオを自分の環境に取り込めます。接続情報は含まれないので、インポート後に自分のアカウントを繋ぎ直すだけ。ネット上には有志のBlueprintが意外と転がっています。
よくある質問
1つのシナリオにトリガーは複数置ける?
置けません。トリガーは1シナリオに1つだけです。複数のきっかけで同じ処理をしたい場合は、シナリオを分けるか、Webhookで受け口をまとめる設計にします。
モジュールを増やすとどうなる?
アクションはいくつでも直列・分岐でつなげられます。ただしモジュールが増えるほど1回の実行で消費するオペレーション(実行回数の単位)も増えるので、無料プランの月1,000オペレーションを意識するなら、シナリオはシンプルに保つのが基本です。
条件によって処理を変えたい
モジュール間の接続線にフィルターを設定するか、Router(ルーター)で分岐を作ります。「件名に『緊急』があればSlack、なければ記録だけ」のような振り分けが可能です。最初の1本には不要なので、慣れてからで大丈夫。
Make.comを試してみたい方は、無料プランから始められます。
まとめ
シナリオ作りは、トリガーを1個決めて、アクションをつなぎ、Run onceで確認してからONにする。基本は本当にこれだけです。最初の1本のテーマは、普段の「手作業の転送・通知」から選ぶのが正解。完璧な設計を目指すより、雑でも動く1本を今日完成させる方が、10記事分の解説を読むより理解が進みます。白いキャンバスの「+」を押すところから、どうぞ。


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