見逃した通知は、届かなかったのと同じです。
メールに通知を送っても、受信箱に埋もれれば意味がない。その点、Discordは常時開いている人が多く、スマホにもプッシュが飛ぶ。個人の作業通知やコミュニティ運営の連絡先として、通知の到達率が高い場所なんです。
そのDiscordに、Make.comから自動で通知を送る方法を整理します。しかも無料で。
そもそも何ができるのか
Makeから飛ばせる通知の例を挙げると、こんなところです。
- ブログやサイトの更新通知:記事を公開したらチャンネルに自動投稿
- フォームの回答通知:問い合わせが来たら内容つきで即通知
- エラーの検知:シナリオが失敗したら自分だけに通知
- 定期リマインド:毎朝その日のタスクを一覧で投稿
- コミュニティ運営:スプレッドシートで管理しているイベント情報を自動告知
乱暴にまとめると、「何かが起きたことを人間に知らせる」処理は全部これで作れます。しかもDiscord側は無料。Nitroなどの課金は一切不要です。
接続方法は2通りある
ここが最初の分かれ道で、日本語の解説記事でも混同されがちな部分です。MakeからDiscordに通知を送る方法は2つあります。
方式A:Webhook方式(おすすめ)
Discord側で「Webhook URL」という受け口を発行し、MakeのHTTPモジュールからそこにデータを送る方式です。
- 利点:Discordアカウントの連携が不要。URLを1つ発行するだけ。ボットの権限設定も要らない
- 欠点:メッセージの送信専用。読み取りや管理操作はできない
方式B:Discordモジュール方式
MakeのDiscordアプリを使い、ボットとしてDiscordに接続する方式です。
- 利点:メッセージの取得、チャンネル管理、リアクション監視など双方向の操作ができる
- 欠点:ボットの作成と権限設定が必要で、手順が増える
どちらを選ぶか
通知を送るだけなら、迷わず方式Aです。5分で終わります。「Discordの投稿をきっかけにMakeを動かしたい」「メッセージを読み取りたい」という要件が出てきたときに、初めて方式Bを検討すれば十分。この記事では方式Aを中心に解説します。
手順:Webhook方式で通知を送る
ステップ1:DiscordでWebhook URLを発行する
- 通知を送りたいサーバーで、サーバー設定を開く
- 「連携サービス(Integrations)」→「ウェブフック(Webhooks)」を選択
- 「新しいウェブフック」を作成
- 投稿先のチャンネルを選び、名前とアイコンを設定(通知の見た目になります)
- 「ウェブフックURLをコピー」を押して控える
このURLを持っている人は誰でもそのチャンネルに投稿できてしまうので、外部に漏らさないよう注意してください。
ステップ2:MakeでHTTPモジュールを設定する
シナリオに「HTTP」→「Make a request」モジュールを追加し、以下を設定します。
- URL:ステップ1でコピーしたWebhook URL
- Method:POST
- Body type:Raw
- Content type:JSON (application/json)
- Request content:下記のJSON
{ “content”: “新しい記事を公開しました” }
これだけです。実行すると、指定したチャンネルにメッセージが投稿されます。contentの中身に、他のモジュールから受け取ったデータをマッピングすれば、動的な通知になります。
ステップ3:見やすくする(埋め込み形式)
ただのテキストだと味気ないので、埋め込み(Embed)形式を使うと通知が一気に読みやすくなります。タイトル、本文、色の帯、リンクを構造化して表示できる形式です。
{ “embeds”: [ { “title”: “記事タイトル”, “description”: “記事の概要をここに”, “url”: “https://example.com/article”, “color”: 3447003 } ] }
colorは色を10進数の数値で指定します。青系なら3447003、赤系なら15158332といった具合。通知の種類ごとに色を変えておくと、一目で判別できるようになります。エラー通知は赤、更新通知は青、といった使い分けが実用的です。
つまずきやすいポイント
メンションしても通知が鳴らない
「@担当者」と書いても反応しない、という詰まり方があります。Discordのメンションは表示名ではなくID指定で書く必要があるためです。
- ユーザー宛て:<@ユーザーID>
- ロール宛て:<@&ロールID>
IDはDiscordの開発者モードを有効にすると、右クリックからコピーできます。ここだけの話、この仕様を知らずに「通知が来ない」と悩む時間はけっこう長くなりがちです。
2,000文字を超えるとエラーになる
Discordの1メッセージあたりの上限は2,000文字です。長文をそのまま流すと弾かれます。AIの生成結果を通知する場合など、長くなりそうなときは要約してから送るか、分割する処理を挟んでください。
連続送信でエラー(429)が出る
Webhookには短時間の送信回数に制限があります。スプレッドシートの50行を一気にループで通知すると、途中から弾かれる。件数が多い場合はSleepモジュールで間隔を空けるか、1件ずつではなくまとめて1メッセージにする設計にしましょう。
通知が多すぎて誰も見なくなる
技術的な問題ではありませんが、実はこれが最大の失敗です。通知チャンネルは机の上のトレイと同じで、重要書類とチラシを同じトレイに入れると、だんだん中身を見なくなります。
対策はチャンネルを分けること。「要対応」と「ログ」を別チャンネルにして、前者だけ通知オンにする。この設計だけで、通知が機能し続けるかどうかが変わります。
他の選択肢との違い(軽く)
Discordには、GitHub連携やRSS系のボットなど、Makeを使わなくても通知を作れる手段があります。単一のサービスからの通知なら、そちらのほうが手軽です。
Makeを使う価値が出るのは、複数のサービスをまたぐときと途中で加工したいとき。「フォームの回答をAIで分類して、種類ごとに違うチャンネルへ」といった処理は、専用ボットでは組めません。
SlackとDiscordのどちらに通知するかで迷う場合、業務ならSlack、個人やコミュニティならDiscord、というのが一般的な住み分けです。ただDiscordは無料で使える範囲が広いので、個人の自動化ならこちらのほうが気楽だと思います。
よくある質問
Discordの有料プランは必要ですか?
不要です。Webhookは無料で使えます。Nitroは絵文字やファイルサイズ関連の機能なので、通知の自動化には関係ありません。
Makeの無料プランで足りますか?
足ります。通知シナリオはモジュール2〜3個で済むことが多く、1日数回の実行なら月100〜200クレジット程度。無料枠の月1,000で十分収まります。
スレッドに投稿できますか?
Webhook URLの末尾にスレッドIDを付ける形で対応できます。チャンネルを散らかしたくない場合に便利ですが、まずは通常のチャンネル投稿で動作を確認してから試すのがおすすめです。
Discordの投稿をきっかけにMakeを動かせますか?
それには方式B(Discordモジュール)が必要です。ボットを作成してMakeに接続し、メッセージ監視のモジュールを使う形になります。手順は増えますが、双方向のやり取りが組めます。
まとめ:最初の1本は「自分にだけ届く通知」から
通知の自動化は、Makeを始める人にとって最良の練習台です。モジュール2つで完結して、動いたかどうかが一目で分かる。結果が目に見えるのが、学習の最初としてはとにかく重要です。
おすすめは、自分専用のサーバーを1つ作って、そこに通知を飛ばすこと。誰にも見られないので気楽に失敗できます。私もMakeでブログの記事生成を回していましたが、最初に作ったのは複雑な仕組みではなく、こういう小さな通知シナリオでした。
Webhook URLを1つ発行するところから。今日30分あれば、1本目が動きます。
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