先に言っておくと、Make.comでXへの自動投稿は組めます。ブログを更新したら告知ポストが自動で流れる、あの仕組みです。ただし2026年は、去年までの解説記事の知識のままだと入り口でつまずきます。
理由はX API(自動投稿に必要な裏口)の料金体系が大きく変わったから。この記事では、まず2026年の費用の現実を整理してから、Makeでの作り方、つまずきポイントの順に解説します。
そもそも何ができるのか
MakeのX(Twitter)モジュールを使うと、ポストの作成・削除・検索・ユーザー情報の取得などを、他のツールと組み合わせて自動化できます。定番の使い方はこのあたり。
- ブログ更新→自動告知:WordPressで記事を公開したら、タイトルとURLをXにポスト
- 定期ポスト:Google Sheetsに書き溜めたネタを、決まった時間に順番にポスト
- AI下書き→ポスト:RSSやニュースをAIに要約させて、コメント付きでポスト
コードは不要で、Makeの画面上でモジュールをつなぐだけ。ここは従来どおりです。変わったのは、その手前にあるX側の関門です。
2026年の大前提:X APIは従量課金制になった
Xの自動投稿には、X APIという開発者向けの接続口を使います。かつては無料枠(月1,500件)があり、個人のボット運用はタダでできました。それが2026年2月から従量課金制(使った分だけ前払いクレジットから払う方式)へ移行し、新規の開発者登録では無料枠が実質使えなくなっています。
無料の公園にゲートが付いた、というのが正直な状況です。ただし、入場料は思ったより小銭。ポスト作成の単価は1件あたり0.01〜0.015ドル(約1.5〜2円)程度とされています。1日1回のブログ告知なら月30〜60円ほど。個人ブロガーの用途では、破産する金額ではありません。
ここだけの話、注意すべきは単価そのものより次の2点です。
- URL付きポストは単価が跳ねる可能性:リンクを含む投稿は1件0.2ドル(約30円)という情報があります。ブログ告知はまさにURL付き投稿なので、月30本なら約900円。無視できない差です。単価はソースによって食い違いがあるため、開発者ポータルで最新の単価表を必ず確認してください
- 前払い制:クレジットを使い切るとAPIが止まるだけで、勝手に高額請求される仕組みではありません。ここは安心材料です
なお、以前からの開発者アカウントを持っている人は、従来の無料枠がそのまま使えているケースもあります。すでに登録済みの人は、自分のプランを開発者ポータルで確認するところから始めてください。
作り方:WordPress更新→X自動告知の例
定番の「ブログ更新を自動でポストする」流れを例に、手順を追います。
ステップ1:X開発者アカウントを作り、キーを取得する
- X Developer Portal(developer.x.com)にXアカウントでログインし、開発者登録する(利用目的の入力あり。「自分のブログの更新情報を自動投稿する」と正直に書けば問題ありません)
- プロジェクトとアプリを作成する
- アプリの権限を「Read and Write」に設定する(初期設定はReadのみのことがあり、ここを忘れると投稿できません)
- API Key・API Key Secret・Access Token・Access Token Secretの4つを控える
- 従量課金のクレジットをチャージする(少額から可)
正味30分ほどの作業ですが、Makeの設定より、地味にここが一番の関門です。
ステップ2:MakeでXの接続を作る
Makeのシナリオ画面でXモジュール(Create a Post)を追加し、Connection欄で先ほどの4つのキーを入力します。Makeが用意する共通接続ではなく、自分の開発者アプリのキーで接続するのが現在の方式です。
ステップ3:シナリオを組む
- WordPressモジュール(Watch Posts):新規公開記事を監視する
- Xモジュール(Create a Post):ポスト本文に記事タイトルとURLをマッピングする
モジュール2つで完成です。本文は「【新着記事】{タイトル} {URL}」のような型で十分。慣れてきたら、間にAIモジュールを挟んで紹介文を毎回変える、といった拡張もできます。
ステップ4:テスト実行
「Run once」で1回だけ動かし、実際にXへポストされるか確認します。テスト投稿はあとで消してもいいですが、削除の操作もAPI経由ならカウント対象になり得る点は頭の片隅に。
つまずきやすいポイント
402エラーが出る
2026年の新定番エラー。支払い関連のエラーで、クレジット未チャージか残高切れが原因です。Makeの設定をいくら見直しても直りません。開発者ポータルで残高を確認してください。
同じ内容の連続投稿は弾かれる
Xには重複コンテンツの投稿を制限するルールがあります。定期ポストで同じ文面を繰り返すと、エラーになったりポストが弾かれたりします。文面に日付を差し込む、複数パターンをローテーションするなど、毎回どこかを変える設計にしておくのが安全です。
自動化ポリシーへの抵触
スパム的な大量投稿、無差別な自動リプライ・自動フォローは、Xの自動化ルールで禁止されています。最悪アカウント凍結まであります。「自分の更新情報を1日数回ポストする」程度なら問題ありませんが、攻めた自動化を組む前にXのオートメーションルールに目を通しておいてください。
Make側のクレジットも消費する
忘れがちですが、MakeのシナリオもMake側のクレジット(無料プランで月1,000)を消費します。X APIとMakeで、財布が2つある状態。とはいえ1日1回のシナリオなら月60〜100程度なので、Make側は無料枠で十分収まります。
他の選択肢との違い(軽く)
「XのAPI登録が面倒」という人には、BufferやSocialDogのような予約投稿ツールという選択肢もあります。API設定不要で始められる手軽さが利点。ただし月額固定の料金がかかり、WordPressやAIと組み合わせた柔軟な流れは組めません。乱暴に分けると、ポストの予約だけならツール、他の仕組みとつなぐならMakeです。
よくある質問
無料でXへの自動投稿はもうできないのですか?
新規の開発者登録では、無料枠は実質終了しています。ただし従量課金の単価は1ポストあたり数円レベルなので、個人利用なら月数十円〜数百円の世界です。「無料ではないが、ほぼ無料に近い少額」が2026年の答えです。
画像付きのポストもできますか?
できます。Makeのモジュールでメディアのアップロードに対応しています。ただし画像アップロードは別のAPI操作としてカウントされる可能性があるので、単価表で確認を。
予約投稿(毎朝7時にポスト)はできますか?
できます。Makeのシナリオにスケジュール設定があるので、Google Sheetsからネタを1行ずつ取り出して毎朝ポストする、といった仕組みが定番です。
複数アカウントの運用はできますか?
技術的には接続を分ければ可能ですが、開発者アプリの数やアカウント連携には制限があり、複数アカウントでの類似投稿はスパム判定のリスクも上がります。まず1アカウントで安定させるのが無難です。
まとめ:月に何本ポストするかを先に数える
2026年のX自動投稿は、「作れるか」ではなく「いくらで運用するか」の話になりました。判断の起点はシンプルで、月に何本、URL付きでポストするか。月30本なら数百円、月100本なら四桁。その金額と、手動でポストし続ける自分の手間を天秤にかければ、答えは出ます。
私はこのブログの記事生成をMake.comで組んで運用していましたが、こういう「毎日の小さな定型作業」こそ自動化の効きが良い領域です。X告知はその代表格。まず1日1本の告知シナリオから、小さく始めてみてください。
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