Make.comのテンプレートは1,000件以上あります。ただ、そこから自分に合うものを見つけるのは、実際のところ簡単ではありません。
結論を先に書くと、テンプレートは「作り方の見本」として使うのが正解です。そのまま業務に投入できる完成品を期待すると、たいてい期待外れになります。
組み立て済みの家具と、板とネジの中間くらい。脚は付いているけれど、置く場所に合わせて高さは自分で調整する。そういう位置づけの機能です。
まず、テンプレートが向く人・向かない人
選ぶ前に、ここを確認してください。
| 状況 | テンプレート | 理由 |
|---|---|---|
| Makeを触ったことがない | 向く | 完成形を見られる |
| 使いたいアプリが決まっている | 向く | アプリ名で絞り込める |
| やりたい処理が特殊 | 向かない | ゼロから組んだほうが早い |
| すでに数本作った経験がある | 微妙 | 調整の手間が上回る |
意外に見落とされているのが最後の行です。ある程度慣れると、テンプレートを読んで理解して調整するより、自分で組んだほうが速くなります。
テンプレートの価値が最も高いのは、最初の2〜3本。ここで「Makeのシナリオはこういう形をしている」を体で覚えるための道具だと思ってください。
テンプレート自体は無料
使う前の不安として多いのが料金ですが、テンプレートの閲覧とコピーは全プランで無料です。無料プランでも制限なく取り込めます。
費用が発生するのは実行したときだけ。シナリオを動かした分のクレジットが減ります。
使い方は3ステップ
- 探す:メニューのTemplatesから、アプリ名か用途で検索する
- コピーする:使用ボタンを押すと、自分のアカウントに複製される
- つなぐ:GmailやSheetsなど、必要なアカウントを紐づける
コピーした時点では、まだ動きません。接続を作って、対象のフォルダやシートを指定して、スケジュールを決める。ここまでが「使う」の全体像です。
おすすめテンプレート7選
初心者が最初に触るものとして実用的なものを選びました。それぞれ「そのままでは使えない点」も併記します。
1. フォーム回答 → Slack通知 + シート記録
最も推しやすい1本です。モジュールは3つだけ。トリガーがフォーム、アクションがSlackとGoogle Sheets。フィルターもルーターも要りません。
構造が単純なので、各モジュールが何をしているのか読み解きやすい。学習用として最適です。
調整が要る点:フォームの項目とシートの列を手動で対応させる必要があります。項目名が英語のままだと分かりづらいので、日本語に直す作業が発生します。
2. Gmailの添付ファイル → Google Driveに保存
請求書や納品書が毎月メールで届く人に効きます。添付を手で保存する作業が消えます。
調整が要る点:全メールを対象にすると、署名画像まで保存されます。差出人やタイトルで絞るフィルターは必須です。
3. RSS → AI要約 → シート蓄積
情報収集の自動化としてよく使われる型です。競合ブログやニュースサイトの更新を拾って、要約してから記録する。
AIモジュールを挟む構成の練習にもなります。
調整が要る点:AIのモジュールは通常より重い場合があり、クレジットの消費が読みにくい。無料プランで常時回すのは厳しいです。頻度を絞ってください。
4. 新しいメール → タスク化
受信メールをタスク管理ツールの項目に変換する型。Gmailと組み合わせるものが多く用意されています。
調整が要る点:何をタスクにするかの条件設定が肝です。ここを詰めないと、タスクリストがメールの写しになって使い物になりません。
5. スプレッドシートの行 → カレンダー登録
予定をシートで管理している人向け。行を追加するとカレンダーに反映されます。
調整が要る点:日付と時刻の形式が合っていないと、そこで止まります。タイムゾーンの設定も確認してください。
6. SNSの投稿を複数媒体に配信
1回の投稿を複数のプラットフォームに流す型。運用の手間が減ります。
調整が要る点:媒体ごとに文字数制限や画像の扱いが違います。同じ文面をそのまま流すと、どこかで不自然になる。媒体ごとに文面を変える分岐を足すのが本来の形です。
7. 定期実行 → 日次レポート送信
毎朝決まった時刻に、集計結果をメールやチャットに送る型。スケジュール設定の練習になります。
調整が要る点:集計元のデータ構造に依存するので、テンプレートのままではまず動きません。ここは骨組みだけ借りる前提で。
無料プランで何本動かせるか
ここが現実的な制約です。
| 項目 | 無料プラン |
|---|---|
| 月間クレジット | 1,000 |
| 同時に動かせるシナリオ | 2本 |
| 最短の実行間隔 | 15分 |
3モジュール構成のシナリオなら、1回の実行で3クレジット前後を消費します。単純計算で月に300回強の処理が上限。
ここだけの話、この計算は「何かが起きたとき」だけの話ではありません。スケジュール実行のトリガーは、新着がゼロでもクレジットを消費します。15分間隔で回すと、それだけで月2,880回。1日目で予算を使い切ります。
私がこのブログの記事生成をMakeで回していた頃も、結局はここでの調整に一番時間を使いました。テンプレートをコピーしたら、まずスケジュールを緩めること。これが実質的な最初の作業です。
なお、Makeは以前「オペレーション」と呼んでいた単位を「クレジット」に呼称変更しています。海外の解説記事は今もoperations表記のものが多いので、読み替えてください。
有料プランに上げるタイミング
目安は2つ。月1,000クレジットを超えたときと、3本目のシナリオを動かしたくなったとき。
Coreプランは月10ドル台で、クレジットは10,000。アクティブなシナリオ数の制限もなくなります。為替と改定で数字は動くので、契約前に公式の料金ページで確認してください。
テンプレートを使うときの注意
コピーした直後にONにしない
接続を作った時点で動き出せる状態になっていますが、まずOn demandにしてRun onceで手動実行してください。想定外の動きをしていないか確認してから稼働させる。
提供元を確認する
公式のギャラリー以外に、コンサルタントや代理店が公開しているテンプレートもあります。便利ですが、中身を読まずに取り込むのは避けたほうがいい。自分のアカウントとデータを扱うものなので。
そのまま使えると思わない
繰り返しになりますが、ここが一番の落とし穴です。「テンプレートがあるから簡単」ではなく「テンプレートがあるから理解が早い」。この認識で使うと、期待とのずれが起きません。
気になるところ
Makeのテンプレート機能について、弱いと感じる点も書いておきます。
まず、日本語のテンプレートがほとんどありません。説明も設定項目も英語です。読めないほどではないものの、初心者向けの機能なのに初心者に優しくないという矛盾はあります。
もう1つ、テンプレートの品質にばらつきがあること。よくできたものもあれば、明らかに古い仕様のまま放置されているものもある。更新日が分かりにくいので、動かしてみるまで判断できません。
正直、ここは私も判断に迷うところです。テンプレートを探す時間で自分で組めてしまうことも多く、どこまで頼るべきかの線引きは、使う人の習熟度次第としか言えません。
よくある質問
テンプレートは編集できますか
できます。コピーした時点で自分のシナリオになるので、モジュールの追加も削除も自由です。
使わなくなったテンプレートはどうすればいいですか
削除するか、OFFにしてください。無料プランはアクティブなシナリオが2本までなので、放置していると新しいものを動かせません。
日本語のテンプレートはありますか
ほぼありません。ただし設定項目を日本語に変える必要はないので、動作に支障はありません。
自分で作ったシナリオをテンプレート化できますか
シナリオの複製や書き出しの機能はあります。同じ構成を別のアカウントで使い回すことは可能です。
テンプレートを使うとクレジットは余計にかかりますか
変わりません。自分で組んだシナリオと同じ計算です。
まとめ
テンプレートは、最初の2〜3本を作るための踏み台です。完成品ではなく、見本。この認識さえ持っておけば、期待外れになることはありません。
最初の1本として推すなら、フォーム回答をSlackとシートに流す構成です。モジュールが3つしかないので全体を把握しやすく、Makeの基本構造がひと通り入っています。
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テンプレートのコピー自体は無料プランでも制限なくできます。まず1本取り込んで、中を開いてみるところから → Make.com(※アフィリエイトリンクです)
選ぶ基準を1つ渡すとすれば、そのテンプレートに使われているアプリを、自分がすでに使っているかです。知らないサービスが混ざっているものは、調整の前に学習が必要になる。答えはテンプレート一覧の人気順ではなく、あなたのスマホにすでに入っているアプリの中にあります。


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