Make.comのモジュール検索で「Gemini」と打ち込んで、目当てのものが出てこなくて手が止まった。この記事にたどり着く人の多くは、たぶんそこだと思います。
結論から言うと、つなげます。ただし探し方と、その前にやっておく準備があります。ここを知らないまま画面と睨み合っても進まないので、順番に片付けていきます。
そもそもMake × Geminiで何ができるのか
Makeのシナリオは、基本的に「AがあったらBする」の連鎖です。メールが来たらシートに書く、フォームが送信されたら通知する。決まった処理を決まった順番でこなすのが得意な代わりに、判断が要る仕事は苦手でした。
そこにGeminiを挟むと、この「判断」の部分を任せられるようになります。
感覚としては、工程の途中に通訳を1人座らせるのに近い。入ってきたものを読んで、意味を汲んで、こちらが指定した形に変換して次へ渡す。その一手間が入るだけで、シナリオでできることが一段広がります。
よくある組み合わせを挙げると、このあたりです。
- 問い合わせメールを読ませて、緊急度で振り分ける
- RSSで拾った記事を要約してSlackに流す
- フォームの自由記述欄を分類してシートに整理する
- 英語の資料を翻訳してからNotionに保存する
- 商品情報から説明文の下書きを生成する
どれも「人間が読んで判断していた5秒」を肩代わりさせる形です。1件なら手作業でいい。100件になると話が変わる。
つなぐ前に必要なもの
Geminiのモジュールは、GmailやGoogle Sheetsのように「Googleアカウントでログインすれば終わり」ではありません。APIキーが要ります。
ここが最初のハードルです。実際のところ、Make側の設定より、このキーを取りに行く工程のほうがつまずきやすい。
APIキーの取り方
- Google AI Studioを開いてGoogleアカウントでログインする
- メニューから「Get API key」を選ぶ
- 「Create API key」をクリックする
- キーの名前を入力し、紐づけるプロジェクトを選ぶ(なければ新規作成)
- 生成されたキーをコピーして控えておく
無料枠だけで試すなら、ここで終わりです。課金設定をしない限り請求は発生しません。まず動かしてみて、必要になったら有料化する。この順番なら想定外の請求は起きません。
キーは一度しか表示されない場合があるので、その場でメモ帳などに控えておくこと。あとから見返せると思っていると面倒なことになります。
Make側の設定
モジュールの探し方
Makeのモジュール検索で「Gemini」と入れると、素直に見つからないことがあります。GoogleのAI関連機能はアプリ名がまとめられているためで、Google AI StudioやGoogle Vertex AIといった名前で探すと目的のものに行き当たります。
ここが分からず「Makeは非対応なのか」と諦める人が一定数いるはずです。あえて言うなら、この命名は初心者に優しくない。
どうしても見つからない場合の逃げ道もあります。HTTPモジュールで直接APIを叩く方法です。手間はかかりますが、専用モジュールが対応していない機能まで使えるので、慣れてくるとむしろこちらが便利だったりします。
接続の作成
モジュールを置いたら「Add」から新しい接続を作り、控えておいたAPIキーを貼り付けます。接続名は自分で分かればなんでも構いません。
ここでエラーが出る場合、キーの前後に余計な空白が入っていることが多いです。コピペ時の事故が9割。
プロンプトの設定
あとはプロンプト欄に指示を書きます。前のモジュールから受け取った値は、マッピングで差し込みます。
あなたはカスタマーサポートの担当者です。以下の問い合わせを読み、緊急度を「高」「中」「低」のいずれか1語だけで答えてください。説明は不要です。
問い合わせ内容:{{1.text}}
ポイントは出力の形を厳しく縛ることです。自動化の途中に挟むAIに、余計な前置きは要りません。「1語だけ」「説明不要」「JSON形式で」といった指定を入れておかないと、返ってきた文章をあとから加工する処理が必要になって、シナリオが無駄に長くなります。
複数の項目を取り出したいなら、JSONで返させてMakeのJSONモジュールで解析するのが定番です。
つまずきやすいポイント
無料枠には回数制限がある
Gemini APIには無料枠があり、Flash系のモデルなら費用をかけずに試せます。ただし1分あたり・1日あたりのリクエスト回数に上限があり、これは検証やプロトタイプを想定した枠です。
Googleは正確な上限値を固定で公開しておらず、AI Studioのダッシュボードで確認する形になっています。数字を暗記するより、詰まったらダッシュボードを見る、と覚えておくほうが実用的です。
それと、無料枠には商用利用の制限が設けられている点にも注意してください。仕事で回すシナリオに組み込むなら、有料枠への移行が前提になります。
課金の上限は自分で設定する
2026年4月から、Gemini APIの課金キャップが実際に効くようになりました。月間の利用額がティアの上限に達すると、APIリクエストが止まります。
暴走したシナリオが延々とAPIを叩き続ける事故は、自動化ではわりと起こります。AI Studioの支出上限とGoogle Cloud側の予算アラート、この2つは動かす前に設定しておいたほうがいい。
Makeのクレジットも消費する
忘れがちですが、Geminiモジュールを実行するとMake側のクレジットも減ります。Makeの無料プランは月1,000クレジット。AI系のモジュールは通常のモジュールより消費が重くなる場合があります。
私がこのブログの記事生成をMakeで回していた時期も、結局はここで頭打ちになりました。AIを挟むシナリオを常時稼働させるなら、実行頻度を絞るか有料プランを検討するか、どちらかの判断が要ります。
| コストが発生する場所 | 単位 | 止め方 |
|---|---|---|
| Gemini API | トークン数 | AI Studioで支出上限を設定 |
| Makeのシナリオ実行 | クレジット | 実行間隔を広げる・フィルターで絞る |
モデルが廃止される
これが地味に効いてきます。Geminiは世代交代のペースが速く、旧モデルは順次提供を終了します。2026年6月にも旧世代のFlash系が2つシャットダウンされました。
ある朝シナリオを見たらエラーで止まっていた、という事態を避けるには、モデル名を差し替えやすい形で組んでおくこと。エラー通知の設定も入れておいてください。
出力が長すぎる
Geminiは丁寧に答えようとする傾向があります。「はい、承知しました。以下が要約です」から始まる返答をそのままSlackに流すと読みにくい。プロンプトで前置きを禁止するのが確実です。
ChatGPTモジュールとどう使い分けるか
MakeにはOpenAIのモジュールもあります。どちらを選ぶべきか。
| 比較軸 | Gemini | OpenAI |
|---|---|---|
| 無料で試す | 無料枠あり | 基本的に従量課金 |
| Google製品との相性 | 良い | 普通 |
| 日本語の情報量 | やや少ない | 多い |
| モジュールの分かりやすさ | 名前が探しにくい | 素直に見つかる |
Geminiの一番の利点は、無料で試せることです。自動化にAIを挟むのが初めてなら、財布を気にせず実験できる意味は大きい。Google DriveやSheetsを多用するシナリオとの相性も自然です。
気になるところを挙げるなら、日本語の解説記事がまだ少ないこと。詰まったときに検索して解決するまでの時間は、OpenAI側のほうが短く済みます。
正直、迷う場面もあります。要約や分類のような単純な処理ならGeminiで十分で、費用も抑えられる。ただ、複雑な指示を正確に守らせたい用途では、まだ試して比べるしかないというのが本音です。両方つないで同じプロンプトを投げてみるのが、結局は一番早い判断方法かもしれません。
よくある質問
無料プランのMakeでもGemini連携はできますか
できます。ただしアクティブなシナリオは2本まで、月1,000クレジットまで。1日数回動かす程度の使い方が現実的なラインです。
画像も扱えますか
Geminiは画像の入力に対応しているため、画像を渡して内容を説明させるといった使い方も可能です。ただしトークン消費が大きくなるので、無料枠での常用には向きません。
Google Workspaceのアカウントでも使えますか
使えますが、組織の管理者がAPIの利用を制限している場合があります。エラーが出るなら、まず個人アカウントで試して切り分けてください。
APIキーが漏れたらどうなりますか
他人に使われて課金が発生します。AI Studioからキーを削除して作り直してください。シナリオを共有したりスクリーンショットを公開したりするときは、キーが映り込んでいないか確認を。
まとめ
Make × Geminiでつまずく場所は、ほぼ3つに絞られます。APIキーを先に取りに行くこと、モジュールをGoogle AI Studioの名前で探すこと、そして支出上限を先に設定すること。
この3つさえ押さえれば、あとはプロンプトを書くだけの話です。
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無料枠同士の組み合わせなら、実質0円で試せます。まずは小さいシナリオを1本作ってみるのが早いです → Make.com(※アフィリエイトリンクです)
最後に判断の材料を1つ。AIを挟むかどうかは、その処理に「読んで決める」工程があるかどうかで分かれます。決まった値を右から左に移すだけならAIは不要で、むしろコストが増えるだけ。答えは料金表ではなく、あなたが自動化しようとしている作業の中身にあります。


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